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不動産取引の手引き

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不動産取引の手引き

1.不動産購入に伴う諸費用

不動産購入には、物件の価格に加えて税金などさまざまな費用がかかります。それら諸費用の合計は、売買価格の約10%程度が基準です。諸費用は、売買契約から引渡しまでの間に順次必要となりますので、現金のご用意が必要となります。
月々およびボーナス時に返済できる金額から、住宅ローンの借入額を算出し、予算を立てます。月々の返済金額は、毎月の積み立て貯金額、賃貸住宅にお住まいなら現在の家賃などが目安となります。また、引越し等の諸費用や中古物件などではリフォームが必要な場合もございますのでその分も資金計画の中に入れる必要があります。

諸費用の内訳
印紙代 売買契約書やローン契約書に貼付する印紙代
ローン諸費用 ローン事務手数料・ローン保証料など
保険料 火災保険料など
仲介手数料 ・200万円以下の金額             5.5% 
・200万円を超え400万円以下の金額 4.4% 
・400万円以上の金額            3.3% 
報酬額は上記に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に掲げる割合を乗じて
得た金額を合計した金額以下とする。
(令和元年10月1日から施行となります)
登録免許税 不動産購入時(所有権移転登記)には、固定資産税評価額の土地1.5%・建物2.0%(※軽減税率適用の居住用建物0.3%)、ローンを組んだ時(抵当権設定登記)には、借入金額の0.4%(居住用0.1%)がそれぞれ必要となります。(※令和3年3月31日までの特例です)
登記手数料 登記手続きの際の司法書士への報酬です。
固定資産税 固定資産の価格(課税標準)の1.4%が1年分となります。
都市計画税 固定資産の価格(課税標準)の0.3%です。(平成27年4月現在。地域によって異なります)
不動産取得税 住宅の場合、固定資産税評価額の3%です。(条件により軽減措置があります)
リフォーム諸費用 中古物件ではリフォーム済みの物件と現況引渡しの物件がございますので、あらかじめ自分が必要と思う工事については、購入前に工事業者と相談しておくと良いでしょう。(新築物件でも照明器具やカーテンなどがついていない物件もありますので、購入前に確認しておくことをお勧めします)
引越し費用等・その他諸費用 引越し費用や、新規に家具や家電を購入を予定している場合はその分も費用に含めて資金計画を立てる必要があります。

2.購入不動産を選定するにあたっての留意事項

1)物理的条件の充足
購入希望の物件が、購入目的に合致した利用が可能かどうか、まず、物理的条件を満たしていることは言うまでもないことです。この条件は、所在地、面積、形状、間取りなどの他に、周辺環境や交通の便、買物・学校・病院・利便施設など社会的な条件も含まれることに留意すべきでしょう。

2)売買契約条件の充足
売買契約の条件について売主と合意できるかどうかの問題です。この条件には売買価格の他、明渡しの条件や責任条項などの経済的、法律的問題に関する合意内容がその中心になります。

3)法律的条件の充足
購入物件に関する諸制約(私法上の権利関係、公法上の諸制限)があっても購入目的をクリアーすることが求められます。私法上の権利関係とは、買受希望の物件の上に他人の権利(借地権や地上権など)が存在すると、利用が制約されたり利用ができなくなる場合があります。これらの権利には、地上権、永小作権、不動産賃借権などがあります。公法上の制限としては、重要な法律として、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法などがあり、それぞれ物件の利用や処分についての制限が課せられています。

3.契約締結上の留意事項

1)売買契約と支払条件
売買価格の決定に関してその支払方法も重要な条件となります。 
・支払方法 一括払いか分割払いか
・一部払い 内金か手付金か
・支払時期 内金および残金の支払時期
等を取決め、契約書上も明示することが求められます。

2)引渡しと登記
通常は引渡しおよび登記は、売買代金の支払いと引き換え(残金決済の時はその時)に行われます。これと異なる時の場合には相当の注意を払う必要があります。

3)引き渡しまでに整理する権利、担保責任
引き渡しまでに整理する権利(抵当権の抹消や借家契約の整理)がある場合はもちろん、物件に隠れた瑕疵がある場合を想定して、その時の責任を明確にしておくことも必要となります。

4)各種負担に関する取決め、公租公課の負担(按分の仕方)、危険負担(不可抗力による損害が発生したときの損害負担者)に関する取決めを行います。

5)契約解除、損害賠償の定め
契約を解除できるときの要件や特約、それに伴う損害賠償の取決め等が必要です。
 
6)その他
例えば隣地の境界に不明があるとき、土地の境界確認と測量の仕方、その費用負担等を定めます。

4.都市計画法と建築基準法

都市計画法とは、人々が健康で文化的な生活ができるように計画的な街づくりをするための基本的ルールを定めた法律です。具体的にはまず、知事が都市計画区域を指定します。そこにさらに、市街化区域と市街化調整区域に分けます。市街化区域では第1種住居地域、商業地域、工業地域など12種類の用途地域がしていされそれぞれ建築していい建物の種類とともに、建蔽率(敷地面積に対する建築面積(通常1階部分)の割合)容積率(敷地面積に対する延べ面積の割合)が決められています。一方、市街化調整区域では原則として建物の建築はできません。ただし、調整区域でも法施行以前にすでに宅地だった土地は手続きによって建築が可能となります。これを、既存宅地と呼び、市街化区域に比べて安く売り出されることが普通です。

建築基準法は国民の生命・健康・財産を保護するため、建築物の敷地・構造・用途などについて基準を定めた法律です。建築基準法は都市計画と密接なかかわりがあり、都市計画区域内では建築基準法を遵守しなければなりません。具体的には都市計画区域内の建築物、特定の用途または一定規模の以上の建築物を建築しようとする場合に、その計画が建築基準法の規定に適合するものであることの確認をもとめて、事前に建築主事または指定確認検査機関に提出することになります。この建築基準法においては、土地に接している道路が建築基準法上の道路に該当するか否かは建築確認申請を行ううえで極めて重要な要件となります。建築基準法上の道路に接道している場合にのみ建築可能となりますので、十分な注意を要します。

なお、那須地域においてはごく一部地域は都市計画が指定されていない地域があります。建築基準法では建築に着手する前に建築確認の申請を求めていますが、都市計画区域外では普通の家屋を建てる場合は、まず建築基準法の適用外となり、建築の届けさえ行えばよいということになります。また、接面道路の規定も、都市計画区域内では幅4m以上の道路に2m以上接していることが必要とされていますが、都市計画区域外ではこのような制限はなく、法的に極めて自由度が大きくなっています。